CG制作のスキル
CG制作を行うには、使用するソフトウェアの知識と、CGの基本的な知識(用語等)があればオブジェクトが作れ、レンダリングで映像を書き出すことはできると思います。オペレーターとして要望を頂いたものをコツコツ作っていくのも重要な仕事ですが、時として言われたものを作るだけでなく、自分の作品や自分ならではの表現を形にしていきたと思うのではないでしょうか?
当然ですが、作り手が違えば、出来上がりの作品が大きく変わってくるのは事実です。細かい設定の違いやディテールの違いはもちろん、それ以外に映像の意図する部分の表現力と言いますか、表現するための演出・組み立て方等が変わっている為に、見る側に与える印象が随分異なるものに仕上がってきます。
その違いがクリエイターの個性につながっているものであり、自分なりの表現を作り出していくものだと思います。これらの部分の向上には日々の業務だけで足らないと思っています。そこで、私の考えるプラスアルファに行った方が良いことを簡単にまとめたいと思います。
表現を上げる地力となるもの
一般的なオブジェクト制作、レンダリングといった一般的な業務フローは行えるという前提で考えますと、
そこからのステップアップで必要になるのは、下記のようなことかと思います。
- 観察眼 (ものを見て分析する能力)
- 知見 (多くの方に指示されている画やコンテンツをどのくらい見ているか)
実際にどのようなことをしていくのが良いを、説明していきたいと思います。
デッサン・スケッチ(観察眼と表現)
見たものを表現する方法としてベーシックですがデッサンは最強だと思います。被写体はなんでもいいですが最初は静物で良いと思います。描こうと思うから細かいところまで見ないといけませんし、見たつもりでも観れていなかったということを描こうとすることで実感できます。絵が上手に描けなくても全く問題ありません、描こうとして見るという習慣が観察眼を養っていくと思っています。
人気映画やMVの鑑賞(演出や構成の参考)
ネットやテレビで人気のものは目にすることが多いと思います。そのコンテンツがどうして人気を得ているのか考えながら見てみると良いと思います。最初は分からないと思いますが、好きな人に話を聞いてみる、ネットでの評価をしらべてみる、という行動をすることで今まで知らなかった評価軸や見る人の気持がわかるかもしれません。まずは興味をもって見てみるということが大切だと思っています。
プロ写真家の写真を見る(構図やライティング)
プロの作品は、構図にしてもライティングにしても参考になることばかりです。芸術の色が濃い方の作品は最初はわかりづらいかもしれませんが、この分野の方の作品に関しては、理解というものではなく感じることが大切なのではないかと思っています。よくわからないが記憶に残っていたり、無性に感動したりする経験はご自身の表現力の中に活きてくると思います。
人気ゲームをやってみる(エフェクトやシナリオ構成)
ゲームは、映画よりも没入感が強いので構成や演出も強烈なものがあります。これも参考になる部分がとても多く、映画や舞台演出よりも対象年齢が広いこともあって、視覚的にも楽しめる表現が多いように思います。CGの得意分野でもあるこの分野の作品が参考にならない訳がありませんので、ここは強くオススメします。
さいごに
弊社もそうですが、この分野(CG)で働く方はCGやゲームが好きという志望理由が多いのではないでしょうか?仕事が忙しい時や、年齢を重ねるにつれ慣れてしまい新しい刺激や情報入れなくても日々の業務はこなせるようになってくると「あと一歩」を踏み出さなくなることがあると思います。そんな時こそ初心を思い出して、昔の作品でも良いので見る、手を動かしてみる、そんな事が大切なのではないかと思います。将来弊社のお仲間になって頂ける方がもしいるのでしたらこれを読んで頂けたら嬉しく思います。