はじめに
弊社はCG制作業務を主な生業としております。CG制作はひとりで対応できるものから多くのメンバーで構成されるプロジェクトチームで分担作業して対応していくものまで多種多様にあります。弊社でも今後多くのクリエイターの皆様と協業することにより映像のクオリティアップのお手伝いができましたらと思っております。そこで未来のクリエイターに向け簡単ではありますがCGの基礎的知識を共有させていただけましたらと思いまとめていくことに致しました。
CGとは
CG=Computer Graphics:コンピュータ・グラフィックス
コンピュータを使って作られる映像全般のことを指します。
コンピュータを使用して描かれたものであれば、文字から実写と変わらない高品質なものまで全てこれに該当しますのでとても広い意味の言葉になります。
CGの種類
そんな幅広いCGですが、みなさんが目にする形式で大きく分けて分類するのがひとまずはわかりやすいかと思います。下記にその分類を記していこうと思います。
テロップ
主にテレビ番組等で画面に表示される文字を「テロップ」と呼びます。文字だけのシンプルなものだけでなく図形やアイコンを伴ったグラフィカルなものもあります。テレビ番組のスタッフロールなどで「CG」と記載のある場合はこれに該当します。
イラスト
絵です。紙に描くものではなくPCやタブレットを使用してデータとして描かれた絵のことを指します。ツールとしてPCを使用するだけですので、実際に描かけるスキルがないと制作は難しいかもしれません。基本的には平面に対し作業していきます。
アニメーション
いわゆる「アニメ」です。イラストを同じようにセルではなくPCを使って描かれ、制作されるものを指します。最近では背景やメカを3Dで制作しセル的に表現するような手法も多くなってきています。
フォトリアル
オブジェクトは3Dの情報を持ち、光の透過や反射、オブジェクト表面の質感等を正確に再現して作られる映像です。3D制作ツールを用いて制作されます。通常オブジェクトのディテールや質感の再現に膨大な光の計算を行うため画像出力に時間を要することが多いのですが、GPUの高速化とゲームエンジンの活用によりリアルタイムでの画像出力が可能になってきています。
特殊効果
光等の演出効果です。レーザービームや変身のキラキラ等がこれに該当します。
また撮影された映像を色を変えたり、部分的に消したりと加工するのももCGの分野になります。
2Dと3Dの違い
3DCGとCGは何かが違うのか、3DCGは3D(立体)空間で構築されたCGの事になります。
3Dとは先にも書きましたように立体空間のことを言います。縦・横・高さの3方向の情報を持って構築されます。我々が生活している空間が3Dですので、よりリアルな造形であったり動きが再現可能になります。PCの高性能化により3Dの情報をリアルタイムに近い時間で扱えるようになってきたことから近年3DCGを取り入れたゲームやVRサービスが増えてきています。
3DCGの使用目的
では、3DCGはどのような場面において使用されるのでしょうか?使用目的に分けてご紹介していきます。
出来事の再現
リアルな空間と同じ環境でものを作れるという特性から過去の出来事の再現(事故再現)や未来に起きることのシミュレーション(VR災害体験コンテンツ)といったものが可能になります
現実味のある表現ができますので、実体験に近い感覚で見てほしいコンテンツに向いています。映画等での3DCG活用も盛んになっています。
可視化・具現化
まだ存在しない機械や設備等を設計図をもとに再現できます。3DCGで再現し形状的な修正点を見つけるということも可能になります。また、頭の中のイメージを形にできますので存在しないモンスターや未知の天体等をリアルに見えるように描画することも可能です。
視覚情報の整理
複雑な構造物、あるいは視覚的に見づらいものを解説するようなシーンにおいては、不要なものを不可視にしたり、強調すべき部分を光らせる等の視覚的表現が可能です。オブジェクトの作成だけでなく実写を加工し、オブジェクトと合わせて合成することで、わかりやすく整理された映像になります。機械の解説映像などでメカニズムや動作イメージを伝わりやすく映像化できます。
3DCGの活用シーン
では実際にどのようなシーンで使用されているのでしょうか?
- TV・CM
- 企業PV
- 映画
- イベント
- UI
これまでの説明で触れていない部分ではUIがあります。
これは一例を挙げると自動車のメーターコンソールに自動車のエンジンやバッテリーの様子がグラフィカルに表示され異常箇所があれば点滅したりするようなユーザーに見てわかるメッセージを発信するような分野になります。