AdobeFIreflyを積極的に使おうと思った話

目次

はじめに

生成AIの開発は日々めまぐるしく進歩しています。我々の分野(映像制作)においてもそれは例外ではなく、動画生成・静止画生成の正確さ、クオリティはどんどん良くなっています。
もちろん、ひとつのモデルやサービスですべてを網羅できるような万能型は、まだありませんので、いくつかのサービスを併用して制作するのが現状では最善となるのだと思います。

クラウド上には、画像生成のサービスが数多くありますが、映像制作の方々が最も期待しているのはAdobeのサービスではないかと思っています。Adobeの製品群からシームレースに使用できるサービスが確立されれば、これまでよりも遥かに効率的に制作が進められることが期待できます。

そこで、今回はAdobeのクラウドサービスである「Adobe Firefly」の最新版を元にどんなことができるのか?どんなクオリティなのか?を中心にレビューしてみたいと思います。

Adobe Fireflyとは

以前にも記事にしましたが、Fireflyとは、Adobeの提供する画像生成クラウドサービスです。

以前の記事は、2024年10月に作成したものですが、本日現在(2025年10月29日)でもとても大きく進化しています。
静止画・動画の生成に注目してみても、単に生成できるのではなく、編集や参照からの生成等ができるようになっています。モデルもAdobeのモデル以外のパートナーモデルも増えて、選択肢の幅も広がってきています。

今回は動画生成のクオリティについて、検証してみようと考えていたのですが、いくつかの生成を行っていく中で、動画生成の前に、静止画生成の検証を先に行うべきだと考えるに至りました。
そこで、まず静止画のクオリティについて、比較検証していきたいと思います。

静止画の比較

使用できるモデル

Fireflyで使用できるモデルは以下になります。

提供区分モデル名編集・参照の有無備考
AdobeFirefly Image 5プレビュー(2025/10時点)
AdobeFirefly Image 4 Ultra
AdobeFirefly Image 4
パートナーFlux Kontext MaxFlux
パートナーFlux Kontext ProFlux
パートナーFlux 1.1 ProFlux
パートナーFlux 1.1 UltraFlux
パートナーFlux 1.1 Ultra(Raw)Flux
パートナーGemini 2.5(Nano Banana)Google
パートナーImagen 4Google
パートナーImagen 3Google
パートナーGPT ImageChatGPT
パートナーRunway Gen-4 ImageRunway

Adobeモデルの最も秀でた優位点はライセンスに関してです。「商用に安全」を謳っていますので、現状どのモデルよりも安心して使用できるのではないかと考えています。

著作権に関しては、今後法律も含めて今後整備されていくと思いますが、学習素材の出処についてAdobeがしっかり管理できているのは、今後の制作においても安心できると思います。

生成画像

では、実際の生成画像を比較していきます。題材は人間の自然な姿を描画してみようと思います。これまでCGでいろいろなものを作ってきましたが、写真と見分けがつかないレベルで自然な画像を生成するには人物が最適だと思います。
使用したプロンプトは以下です。

A Japanese woman, young and beautiful, resembling an actress, is sitting at an open-air café, enjoying a coffee.
She wears a sleeveless cotton shirt dress, light and flowing.
The atmosphere is relaxed and serene, with soft natural light and a pleasant breeze gently moving her hair and clothes.
The moment feels peaceful and intimate, like a quiet escape from the city.
The scene is captured in a high-quality snapshot style photograph, emphasizing warmth, comfort, and everyday beauty.

Adobe Firefly Image 5

image5 1
縦横比1:1での出力解像度 2048*2048

Adobe Firefly Image 4 Ulrta

image4ultra
縦横比1:1での出力解像度 2048*2048

Adobe Firefly Image 4

image4
縦横比1:1での出力解像度 2048*2048

Adobe Firefly Image 3

image3
縦横比1:1での出力解像度 512*512

Flux Kontext Max

fluxmax
縦横比1:1での出力解像度 1024*1024

Flux Kontext Pro

fluxPro
縦横比1:1での出力解像度 1024*1024

Flux 1.1 Pro

flux11pro
縦横比1:1での出力解像度 1440*1440

Flux 1.1 Ultra

flux11ultra
縦横比1:1での出力解像度 2048*2048

Flux 1.1 Ultra(Raw)

flux11Raw
縦横比1:1での出力解像度 2048*2048

Gemini 2.5(Nano Banana)

gemini25nanobanana
縦横比1:1での出力解像度 1024*1024

Imagen 4

g image4
縦横比1:1での出力解像度 1024*1024

Imagen 3

G mg3
縦横比1:1での出力解像度 1024*1024

GPT Image

gptimg
縦横比1:1での出力解像度 1024*1024

Runway Gen-4 Image

rw4
縦横比1:1での出力解像度 1080*1080

編集機能について

いくつかのモデルには、参照画像が設定できます。モデルによりその参照画像がどのように機能するのかは変わりますが、大雑把にいうとNano-Bananaで提供されているような画像を元にした編集機能だと思ってもらえばわかりやすいと思います。
例えば、Firefly Image 5、Gemini2.5 Nano-Banana、Flux Kontextはほぼ同等の印象です。

動画の比較

動画生成は。開始フレームを指定する方がプロンプトの記載も動く部分に注力することが出来ますので、圧倒的にクオリティのコントロールがしやすくなると考えています。そこで、先に生成した静止画を開始フレームとして使用して、動画の挙動、プロンプトの応答性、一貫性等を確認してみたいと思います。

動画用のプロンプトは下記のものを使用し、5秒の長さを基本として生成しました。

A 5-second cinematic video of a young and beautiful Japanese woman, resembling an actress, sitting at an open-air café and enjoying a coffee.
She wears a sleeveless, lightweight cotton shirt dress.
Soft natural light and a gentle breeze enhance the relaxed atmosphere.
From 0 to 2 seconds: She is peacefully sipping her coffee, with a calm and serene expression.
From 3 to 4 seconds: She notices the viewer, slowly lifts her eyes, and smiles gently with warmth and surprise.
At 5 seconds: She raises her hand and gives a small, friendly wave.
The scene should be high-quality, softly lit, and emotionally warm, capturing a quiet and intimate moment in everyday life.

開始フレームは16:9で生成したこちらの画像です。

woman StartFrame 169

Firefly Video

Pika2.2

比較参照としてFirefly以外のサービスでも生成してみました。

Wan2.5

考察

以上、静止画生成、比較と静止画からの動画生成でのクオリティの比較を行いました。個別の比較は見て頂けるとわかる通りですが、AI特有のガチャ的な要素もありますので、何度がトライして良いものを選択するということも必要かもしれません。

試験の結果、Fireflyでの生成が、極端に劣っているということはあまり感じられず、静止画のクオリティがある程度のものであれば、動画において大きく乱れることは少ないように感じました。もちろん細かい部分のディテールや挙動に一部あやしい部分も見受けられるのは事実ですが、ドラフトの作成や、プロンプトチェックに用いることは業務用途でも有効だと感じます。

Creative Cloud Proに加入されている方であれば、標準生成機能は無制限でアクセスできるようになっていますので、他のクラウドサービスに加入せずとも画像生成が行えるのはメリットがあると言えます。
また、動画生成に関しては、クレジットを消費しますが、生成速度も速く、静止画からの動画生成については以前よりも格段の良くなっているのが好印象でした。

Fireflyは、静止画生成・編集・動画生成がひとつのサービス内で行えるようになりました。もちろん他のクラウドサービスも同等のものが出てきており、日々進化しています。
AIをうまく活用するには「プロンプト」が非常に重要です。このプロンプトには一定の決まりのようなものやクセのようなものがあると感じていますが、モデルによりその特性が変わってくることも感じていました。

Fireflyに使用するプロンプトはPhotoshopで使用するプロンプトとどこか似ているような気もします。(※個人の感想です)
そんなことを考えていると、これはもっとFireflyを積極的に使用してみてもよいのではないかという気持ちになってきました(笑)

ともかく、新しくなったFireflyは、生成AIのツールとして期待できるものだと感じました。

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