AIで甦る絶滅動物たち|GPT-4oで描く人間が滅ぼした生き物の姿


目次

はじめに

かつて地球上には、私たちが今は見ることのできない、魅力的で不思議な生き物たちが数多く存在していました。その中には、人間の活動によって絶滅に追いやられてしまった種も多くあります。

そうした「人間の影響によって絶滅した動物たち」の姿を、GPT-4oの画像生成能力を活用して再現してみることにしました。

あらかじめ申し上げますが、各動物に関する知見がない状態で、どのくらいの画像が得られるのか、というトライの側面が強く専門家の方々からの視点では間違いも含まれている可能性があることをご容赦ください。

なぜGPT-4oで再現するのか?

GPT-4oは、高度な視覚と言語処理能力を組み合わせたマルチモーダルAIであり、テキストから高精度の画像を生成することが可能です。今回は、動物の名前を指定し、それに関するネット上の文献、古記録、イラスト、博物館の展示情報などをAIにより収集・整理したのちに、できるだけ信頼性の高い形で各動物を再現するという流れを目標としました。

プロンプトの設計については、過剰に美化せず、自然な形態・生息環境に近づけることを定義づけしています。

AI画像を単なる作画の代替ではなく、「人間の想像力を広げる道具」として捉えています。現時点ではまだ課題も多く、特に映像制作の分野においては生成結果の精度や安定性に注意が必要ですが、それでも今後、動画分野でも無視できない存在になることは間違いないと考えています。GPT-4oは、高度な視覚と言語処理能力を組み合わせたマルチモーダルAIであり、テキストから高精度の画像を生成することが可能になってきています。

人間の影響で絶滅した動物たち

以下は、歴史的に記録が残されており、人間の活動によって絶滅したとされる代表的な動物たちです。
画像は、GPT-4oがネット上の情報(テキスト、画像)を参考にGPT4oの画像生成機能で再現したものです。

ドードー(Dodo)

  • 生息地:モーリシャス島
  • 絶滅年:1681年頃
  • 原因:人間の狩猟、外来種(ネズミやブタ)による卵の捕食
  • 補足Wikipedia – ドードー

タスマニアタイガー(フクロオオカミ)

  • 生息地:オーストラリア、タスマニア島
  • 絶滅年:1936年
  • 原因:牧畜業者による駆除、森林破壊、病気
  • 補足Wikipedia – フクロオオカミ

ステラーカイギュウ

カロライナインコ

  • 生息地:アメリカ合衆国南東部
  • 絶滅年:1918年
  • 原因:羽毛目的の狩猟、生息地の開発、農作物被害への報復
  • 補足Wikipedia – カロライナインコ

リョコウバト(Passenger Pigeon)

ニホンオオカミ(Japanese Wolf)

  • 生息地:日本(本州・四国・九州)
  • 絶滅年:1905年(和歌山県で最後の個体が捕獲)
  • 原因:狂犬病の流行、人間による駆除、森林破壊
  • 補足Wikipedia – ニホンオオカミ

再現を通して見えてくるもの

これらの再現画像は、「もし今この動物たちが存在していたら」という視覚的な想像力を私たちに与えてくれます。しかし、これはあくまでも“再現”に過ぎず、現実には、人間の行動によって一度絶えた命は、決して元には戻らないということも事実です。

こうしたAIによる再現は、見えなくなったものを可視化し、そのことから過去を学び、未来に活かすための思考材料のひとつとして活用できるものでもあると思っています。

また、画像生成においては、何度も情報収集の指示を与えて修正したものがあります。AIといっても簡単な指示ですべてが完結するわけではありませんので、必ず人間のチェックが必要になるということと、修正指示を出す私自身に各動物に関する知見が乏しいことがあり正確な再現になっていない可能性が高いことも補足させて頂きます。

ただ、専門家の助言を元に再現を行う場合は、従来の工程に比べ時間短縮が可能となるのは間違いないと思います。

おわりに

CGは、言葉や文章だけでは伝えきれないイメージを視覚的に表現するのに非常に優れた手段です。特に、存在していないもの、すでに失われたものを可視化するという点で、3DCGやビジュアル表現の力は圧倒的です。

そして今、CG制作の現場においても、AIという新たなツールが選択肢のひとつとして台頭してきました。AIは、プロンプト(指示文)を通じて「情報の収集」から「ビジュアル化」までの一連の流れを省力化し、制作の効率とスピードを劇的に高める可能性を持っています。

今回は、GPT-4oによって「人間が滅ぼした絶滅動物たち」の姿を再現する試みをご紹介しました。私たちがどれほどの影響力を持っているか、そしてその影響をどのようにコントロールすべきかを改めて問いかける機会になればと思います。

技術の進歩によって、過去の姿を“描く”ことはできるようになりました。だからこそ、これから失われようとしている命を守る選択ができるよう、私たち自身の意識も進化していく必要があるのではないでしょうか。

フィジカルアイでは、AI画像生成技術を積極的に研究・活用しながら、今後は動画やコンテンツ制作の分野にも応用の幅を広げていきたいと考えています。AIもまた「道具」です。その可能性と責任を正しく見極めながら、よりよい表現・よりよい未来を模索していきます。

関連リンク・参考資料


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