3DCGの外注先を選ぶポイント

3DCGの外注先を選ぶポイント


弊社は3DCG制作を生業としています。業務量や求められるスペックによっては部分的に外注することもあります。そこで同じ制作の立場でCGの外注先を探す際のポイントをまとめてみたいと思います。多くあるCG制作会社(プロダクション)、フリーランスを含めて、選択するにはいくつかのポイントを押さえておく必要がありますが、最初に確認すべき点は、下記の4点になります。
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専門分野(得意分野、業界)
クオリティ
取引先
規模

順に説明していきます。

専門分野(得意分野、業界)


CGは表現方法が多岐にわたるため、業界により求められるクオリティや要件に違いが出てきます。このため依頼したいCGの分野に長けている制作会社を選定することが求めているCGに近づく第一歩となります。
例えば、パチンコやスロット等の遊戯機で使用するCGはエフェクトを多めに使う傾向があるこのため通常のPVに比べテンポ良く複数のエフェクトを組み合わせてより目を引くアクションを構築するといった技能が求められます。
逆に企業のPVにおいては、エフェクトは控えめで、商品特徴たる部分のアクションや機構をわかりやすく魅せるように構築することが求められます。
また、シミュレーション系の業務においては、見た目のリアルさではなく、科学的に見やすい配色や特異的な部分を強調するようなアプローチが必要になってくる傾向があります。
映像内の物体を動かす方法も、手作業によるものと物理演算によるものでは、挙動に違いが出てくる為どちらの手法での経験が豊富であるかといった判断も必要になってきます。

クオリティ


制作会社が公開している制作事例は、実績の参考として確認すべきところになりますが、機密保持契約等で制作していること自体が公開できないケースも多くあるため、制作事例だけでなくデモリールやショーリールと呼ばれるその制作会社の技術で制作できる映像集が公開されていないか確認することも大切です。
個人クリエイターであれば「ポートフォリオ」と呼ばれるものもこれに該当します。
気に入ったテイストの映像が含まれていたり、求めるクオリティに類似した作品が含まれていたりすれば、クオリティの基準として打ち合わせもスムーズに行えることが期待できます。
デモリールやポートフォリオが公開されていな場合でも、問い合わせてみるとそれに該当する映像を見えてもらえるケースもありますので、遠慮せずに要望してみると良いと思います。

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ポートフォリオやデモリールが存在しない場合は、新規の顧客を求めていなかったり、日々の業務に忙殺されているような場合もあり、レスポンスの良い対応が難しい可能性があります。

取引先


大手企業との取引が行われていれば、財務的な面の安心材料だと言えます。
大手企業においては、新規取引の際に財務状況等を調査している為、大手商社・大手企業(一部上場等)・官公庁・国公立大学・研究機関等と取引が行われているという点も確認してみると良いと思いますが、これは業界にもより大きく変るためすべてに該当するとは言いがたいので、この情報だけで判断できるものではありません。

規模


規模に影響をうけるものは、主に仕事のキャパシティです。
複数人で作業が行える場合は、納品までの時間に余裕がもてるようになります。
これは一見、個人クリエイターに関係の無い要素のように思われるかもしれないが、クリエイターの多くは自分一人で作業するのではなく、作業量が大きくなる際に分散できるチームのようなクリエイターのつながりをもたれている方もいますので、どのような協力体制になっているのか確認してみると良いと思います。私の知る限りレベルの高いクリエイターはレベルの高い仲間を持っている傾向が強いと思います。

その他


実制作になると、コミュニケーションの取りやすさが重要になります。メールやチャット等のコミュニケーションツールの種類やレスポンスの速さなどお互いに気持ちのよりやり取りができるのが理想です。フリーランスの多くは自宅などで作業することも多いので作業時間も個人の裁量に応じ比較的柔軟に対応できるケースが多いように思われますが、本来の業務以外の時間に作業を強いるような依頼の仕方は論外です。

CG制作においても、機材やライセンスに要する資金などの面から会社組織において管理される事のメリットが大きかったのですが、人財の育成という面でも有効に作用していたように思います。
しかしながら、近年のネットワークの普及、ハードの低価格化(高性能化)、サブスクリプション等によるライセンス形態の変化、により個人クリエイターでも大きな企業に劣らない環境が手に入るようになってきました。人財の育成という側面でもSNSの普及や情報発信という文化の定着によるノウハウ入手の容易さと相まって、会社・個人の差が少なくってきています。
もっともクリエイターという職種において、会社は箱でしかなく、能力を有するのは個人であり会社はある程度の能力を担保する指標という指針になるにとどまるように感じることもあります。

最後に


クリエイターも人間である以上、気持ち良いコミュニケーションのとれる相手の作品には無意識に力が入ってしまうような気がします。使う・使われるに関わらず気持ちよいお取引ができるように日々努めております。