CINEMA 4D+Redshiftで正しいリニア出力を行う方法

CG制作において、CINEMA 4DやRedshiftを使ったリニア空間の正しい管理は、後工程の合成やカラーグレーディングの品質を大きく左右します。
本記事では、C4DとRedshiftでリニア(scene-linear)空間を維持しながら、正しくEXR出力するための基本設定から保存方法までを、初心者にもわかりやすく解説します。

目次

はじめに:なぜ「出力」時にリニア管理が重要なのか?

CINEMA 4D(C4D)やRedshiftでCGを制作する際、レンダリング設定によっては、色や輝度に重大な破綻が生じるリスクがあります。

特に、After EffectsやDaVinci Resolveなど後工程ソフトで正しい合成・カラーグレーディングを行うためには、レンダリング段階でリニア空間(scene-linear)を正しく保つことが不可欠です。

この記事では、C4D+Redshift環境で「正しいリニア出力」を行う方法を初心者にもわかりやすく解説します。

設定

シーンのカラーマネジメント

CINEMA 4Dでは、バージョン2023以降、プロジェクトごとに本格的なカラーマネジメントが可能になりました。

✅ 設定手順(C4D プロジェクト設定)

  1. Ctrl + Dでプロジェクト設定を開く
  2. Color Managementタブを開き、以下を設定:
    • レンダリング色空間:ACEScg
    • ビュートランスフォーム(プロジェクト):ACES 1.0 SDR-video
    • ビュートランスフォーム(サムネイル):ACES 1.0 SDR-video
    • ビューの色空間:sRGB
  3. OpenColorIO構成に適切なOCIOファイルを設定(例:$OCIO環境変数)

これにより、作業中はリニア空間(ACEScg)ベースで処理され、画面上では人間視覚に合わせたプレビューが可能になります。

SC202542895033

Redshiftのカラーマネジメント設定

Redshift側も正しく設定する必要があります。

✅ 設定手順(Redshift グローバル設定)

  1. レンダリング設定でRedshiftを選択し、グローバルタブへ移動
  2. カラーマネジメントセクションを開き、以下を設定:
    • OpenColorIO構成:$OCIO
    • レンダリング色空間:ACEScg
    • 表示:sRGB
    • ビュー:Raw ※制作時 「ACES 1.0 SDR-video」にしておき書き出し時に変更でも良い
  3. ビュートランスフォームの補正をオフにする

ビューをRawに設定することで、レンダリング結果にトーンマッピングが適用されず、scene-linearデータのまま保持されます。

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出力設定:正しいリニアEXRを書き出す

最も推奨される出力形式はOpenEXR (32bit/チャンネル)です。

✅ 出力設定ポイント

  1. 保存形式をOpenEXRに設定
  2. 色深度を32bit/チャンネルに設定
  3. ビューの変換をベイクはオフ(チェックを外す)
  4. 出力ファイルはscene-linear ACEScg空間を維持

これにより、CGデータは物理的輝度を忠実に保持し、後工程で適切に合成・グレーディングが可能になります。

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よくあるミスとその対策

ミス例問題解決策
sRGBでEXR出力してしまった合成時に色ズレ・破綻発生出力は必ずscene-linear ACEScg
ビュートランスフォームを焼き込んで出力見た目は正しくても物理リニアではないビュートランスフォームは”表示のみ”、出力には適用しない
32bit Floatで保存してファイルサイズ巨大化データ管理が困難にプロジェクト要件次第で16bit Halfを使用しても可

まとめ

  • C4Dのプロジェクト設定で作業空間をACEScg(リニア)に設定
  • Redshiftの設定でもリニア運用を徹底
  • 出力はOpenEXR(32bit/チャンネル)、scene-linear ACEScgカラースペースで保存
  • ビュートランスフォームは出力には焼き込まない

これらを守ることで、破綻のない正しいリニアワークフローが実現できます!

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