パイロ(pyro)とは
CINEMA 4D 2023から新しく追加された機能にひとつに「pyro(パイロ)」があります。これは炎や煙を生成できる機能になります。一般的に炎や煙のような流体と呼ばれるものはPCの負荷も大きく、扱いが難しいというイメージがあるのですが、今回使いされたパイロでは難しい手順や設定を行わなくてもも炎や煙が生成できるようになりました。これは大変ありがたいことです。そこで、今回はよく使用すると思われる項目から重点的にみていきたいと思います。
パイロの使い方
炎を出してみよう
まずは、炎を出してみましょう。
用意するものは、炎(煙)の発生源となるオブジェクトです。
さて、オブジェクトを燃やすことはできましたが、この炎や煙を調整していくには、パイロタグとパイロオブジェクトを設定していく必要があります。
そこで、パイロタグとパイロオブジェクトについて、見ていきたいと思います。
パイロの設定
パイロタグ
※密度・温度はそれぞれ頂点マップを使用して生成される煙炎の量を設定できます。
燃料
燃料を追加して炎の勢いを増します
ガゾリンのような可燃物をを噴射する値と思ってもらえるとわかりやすいかと思います
燃料タイプで、1回だけを選択するとはじめの1回のみ噴射されるようなイメージになります。
これは、上の温度密度で設定された煙炎に追加されるイメージになります。
炎の発生源とタグで設定しても良いですが、別途燃料だけをパイロ燃料タグで追加しても良いようです。
爆発のようなアクションを再現したい場合は、
燃焼タイプを「1回だけ」にして、
放射フレームと放射フレーム終了に噴射させたいフレーム数を入力します。
以上が発生源に対する設定になります。
シーン内に複数設定できます。
パイロオブジェクト
続いて、パイロ全体の環境を設定するパイロオブジェクトをみていきます。
パイロオブジェクト
ボクセルサイズ:シミュレーションの基準となる空間の大きさを指定します。
この値を小さくすると詳細な結果が得られますが演算時間が長くなります。
この値を大きくすると演算時間は短くなり、煙炎のディテールはなめらかになります
目的のシーンに応じて設定を変えていくと良いと思います。
サブステップ数:フレーム間の煙炎の動きについての再計算の数になります。この数が多いほどフレームで区切れるような見た目が少なくなり、動きの速いシミュレーションでは詳細な演算が行なえますのでリアルな印象になります。
一般
密度浮力:密度で設定された煙の浮力。デフォルトでマイナス値なので下方向に動きます
温度浮力:温度で設定された炎の浮力。上方向の動きを設定します。この値は乗数のように作用するとヘルプに記載があります。
消散
煙炎が冷えて消えていく動きの設定です。
相対密度消散・相対温度消散:画像ごとの密度減少率とのことですが、次第に薄くなっていくような消え方の設定です
絶対密度消散・絶対温度消散:1秒あたりの密度の消え方を設定します。経過時間で消えていくような消え方というイメージです
スムージング
生成された煙炎をなめらかにする設定です。
単にディテールの調整ができるという感じではなく、シミュレーションで生成される煙炎の形状をスムーズにしたり、流体の流れをスムーズにしたりできます。
C4Dのシミュレーションで使用できるフォースが使用できます。モードを「含む」に変えて加えることで明示的にフォースを指定できます。使い慣れたC4Dのフォースを使って煙炎の動きをコントロールできるのが扱いやすいポイントになります。
さいごに
現状、パイロは最も手軽に炎を生成できる手段だと思います。そしてC4Dのフォースを活用したシミュレーションが可能である点や、プラグインでないということも今後に大きく期待できる点だと思います。この機能が追加されたことで今後より一層C4Dの活躍の場が増えてくるのではないかと、こちらも大きく期待しております。