画像生成AIに感じる今後のクリエイティブ

目次

画像生成AIとクリエイティブ業務

はじめに

近年、急激に認知度が高まった画像生成AI。Adobeが新しい製品を発表したことで一気に話題になっています。この画像生成AIについては今後も大きく進化を遂げる分野であることが間違いありませんが、現時点でどのようなことが可能になるのか、また多くの方が危惧されているような仕事を奪われるという事態になるのか、1クリエイターである私自身が画像生成AIを使用した上で考えてみたいと思います。

画像生成AIとは

そもそも画像生成AIとは何なんのでしょうか?ざっくり言うと、「AIが画像を作成してくれる」というものです。AIはこれまで世の中にある画像からその画像中の要素について学習し、その学習結果から、求められる画像を生み出していくというものです。AIに要望するのは、言葉(プロンプト)であったり別のイメージであったり、商品・サービスによりその手法は違ってきますが、これまでにツールとの大きな違いは、ドット単位の修正や線を書き直すという方法ではなく、AIに対して指示をだし、その結果が画像として得られるというところになります。

画像生成AIの種類

現在、画像生成AIと呼ばれるものは数多く存在し、今後も更に増えていくと思われます。

  • stable diffusion
  • Midjourney
  • DALL・E2
  • AIピカソ
  • NovelAI Diffusion

個々の解説は省かせて頂きますが、それぞれに特徴があり、費用や使い勝手も様々です。現時点では無料で使用できるのはStable Diffusionになります。
導入においては、それなりのスペックのWindowsマシンが必要になります。

stable diffusionによる自動車
↑stable diffusionにより30のキーワードで生成された画像

画像生成AIの問題

画像生成AIにより生成された画像には、現時点で完全にクリアになっていない問題があります。それは著作権です。そもそもAIは人間ではありませんので著作権が存在しないという考え方があります。またAIが学習元に使用した画像には、著作権のあるもの、ないものの区別が曖昧なものがあります。それらを使用して生成された画像は類似するものであって、著作権を侵害するものではないと考える方もおられますが、著作権侵害になる可能性は残っており商用で利用するのが難しい場合も出てきます。著作権、肖像権、あるいは人権など、学習モデルを整備する際の今後のテーマになると思いますが、現時点ではモラルによる部分が大きいのが現実なのではないかと感じています。

先日Adobeから、この著作権の問題をクリアしたサービス「Adobe Firefly」が開始されました。
Adobeがもつ商用利用前提のコンテンツ「Adobe Stock」のパブリックドメインコンテンツ(著作権のない、あるいは消滅したもの)を学習元に使用することで、生み出されるコンテンツの著作権をクリアにしたサービスになります。今後Adobe製のアプリケーションには組み込まれる機能になるようで、クリエイティブの場面での活用が期待されます。

Adobe Firefly (https://www.adobe.com/sensei/generative-ai/firefly.html)

画像生成AIが見せてくれる未来

弊社でもStable Diffusionを試験的に使ってみました。プロンプトと呼ばれる言葉(英語)の指示により画像が生成されてくるのは実に興味深く、未来的です。しかもきちんと指示さえできれば、クオリティの高い画像が生成されます。 stable diffusion 画面

同じプロンプトから、AIの考える様々な種類の画像が生成されていきます。これはアイデア出しのような場面では助かりますね。より多くのバリエーションを作るのはAIに任せるほうが良いのかもしれません。その中から最適と思われるものを選び、ブラッシュアップしていくのは人間の仕事だと思います。修正などの場面でも単純作業と呼ばれる部分はAIに任せた方が速いでしょう。
より、単純な作業から開放され、クリエイティブな部分に専念できるという働き方に近づけるのかなと思います。

画像生成AIとクリエイティブ業務

使ってみて感じることは、過去の経験からの作業や、過去のバリエーションからパターン生成などはAIに任せるべき分野であり、これまでに無いものへのステップアップや、細かい部分のディテールのブラッシュアップなどは人間が行うべき領域であると思います。しかしながらそれも現在のAIの性能でのことで、今後細かいディテールの仕上げなどはAIが行ってくれるようになるのでしょう。
人間の領域は、より人間くさい部分(嬉しい、楽しい、苦しい、辛いなどの感情の伴う部分)の仕上げになっていくのではないかと感じます。
決して、人間のクリエイティブ業務が侵食されるという感じではなく、面倒な部分をAIがサポートしてくれるようになる印象です。
個人的には、AIの画像がアイデアの元になったり、発想の転換点になったりしたこともありますので、AIともよいパートナーになれるような気がしています。実に楽しみです。

Vookにも関連記事を書かせて頂きました。

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