動画におけるインストラクショナルデザイン(2)

インストラクショナルデザインで制作された動画による効果

前回書きましたように、インストラクショナルデザインが使用されている分野は「教育」です。教育とは、これまでに得た経験や、経験から得た知識を、命の危険を冒すことなく伝え、理解し、自身の知恵として成長することです。この知識・経験を伝える場として、授業があり、そのツールとして「教材」が存在します。具体的に言うと「教科書」が一般的な教材といえると思います。
「伝える」ということは、教育の場だけでなく、商売や、コミュニケーションでも使用されており、特に特殊な行為というわけではありませんが、この「伝える」という事は、実は難しいことで、多くの人に正しく伝えるには、それなりの手間や時間が必要になります。
このための工夫として、絵や写真等を使い、視覚を使って伝えようと様々な工夫が凝らされているのですが図や写真も効果的に使用しないと、本来の効果を発揮しないことは言うまでもありません。そこでその出し方や使うタイミングなどをデザインする必要が生まれるのです。つまり、「伝える」という目的のために、様々な工夫を行い、最大限の効果を発揮させるための考え方としてインストラクショナルデザインがあるのです。

では、動画で考えてみます。動画の目的は前回にもまとめましたが、何かを伝える為に存在します。
CMの場合、ブランド名とその価値、商品名とその商品がもたらしてくれる良い事。これらを記憶にとどめることが目的です。
映画やTVドキュメンタリーの場合は、そのテーマに沿った問題提起や、監督の想いが表現されます。この場合は、どのように伝わるかは視聴者に委ねられる場合も多いように思います。
企業PVや、その他の番組等では、伝えたい主題の内容がテロップ等を用いながら表現されます。
このような「伝える」為のツールとしての「動画」を制作する際にIDの考え方を取り入れることは、実に合理的と言えるでしょう。
その結果、インストラクショナルデザインを活用して制作された動画は、見る側に伝わりやすいものになるのです。

インストラクショナルデザインを動画制作に応用する

動画制作において重要と思われるインストラクショナルデザインですが、すべての動画制作にインストラクショナルデザインを活用できるとは限りません。活用できる条件として考えられるものは、下記のようになります。

・十分な視聴時間が確保できる(CMのように短いものではない)
・片手間で見るものではない
・視聴対象が明確になっている

このような条件に該当しないものとしては、CMがあがります。
CMの目的は、商品・サービスの認知ですが、求められるものは「インパクト」「記憶に残る」というものであり、インストラクショナルデザインで達成するべきものとはやや傾向が違います。
これらの条件を整理するためには、制作における企画構成の段階できちんとしたヒヤリングが必要になってきます。
ヒヤリングで整理するのは、

・対象者(年齢、性別、見るきっかけ・動機など)
・タイミング

が主になります。
TVやインターネットのような不特定多数の視聴者が予想される場合であっても、真にターゲットとしたい方の状態を明確にしていきます。

動画の構成

インストラクショナルデザインを使った動画は大まかに下記のような構成になります。

(1)冒頭
(2)状況説明
(3)アクション
(4)アクション解説
(5)まとめ

そして、シーンの構築においては、下記の留意します。

・各項目を明確に区切り、見る側にも区切りを意識させる。
・まとめは、シンプルな文字でまとめる(長い文章はダメ)
・アクション解説は、重要な部分をわかるようにハイライトや、CGを用いて視覚的に差別化する。
・速いシーン展開にしない(3秒に1つの項目を目安に)

テロップや字幕は必要に応じて補足しますが、テロップ画面では字幕を除く方が見やすくなります。
また、テロップのデザインはUDに順ずるイメージでデザインすると良いと思います。コントラストを高めにすると一見視認性が高いように思いますが、見ている側にポイントが伝わりづらくなりますので、何が重要なのかわかるようなデザイン・配色を心がけるとスムーズです。

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