SEOは変わり続けています
SEO(検索エンジン最適化)は、ここ10年だけでも目まぐるしい変化を遂げてきました。キーワードの詰め込み、被リンクの購入、タイトルの最適化……その時々の「正解」は移り変わり、私たち発信者側も試行錯誤を繰り返してきました。
最近では、AIによる検索アルゴリズムの進化がさらにその変化に拍車をかけています。検索エンジンは、かつてのような“テクニック”だけでは通用せず、文脈や意図、信頼性といった“人間的な判断軸”に重きを置くようになっています。まさに、AIが人間に近づいてきている。そんな時代の中で、「では、私たちは何を大切にすべきか?」という根本的な問いを投げかけられているような気になってきます。
けれど、本質は変わりません
どれだけ技術が進化しても、本質は変わらないと私は考えています。
どんな時代でも、ユーザーが求めているのは「役に立つ情報」であり、「信頼できるコンテンツ」です。そしてそれは、表面的なテクニックではなく、中身のあるものを、誠実に、丁寧に発信し続けていく姿勢によってしか実現できないと考えています。
SEOがAIに変わっても、私たちが日々積み重ねる“良い仕事”こそが、コンテンツににじみ出て、それが結果として評価される。
その構図自体は、これまでも、これからも、変わらないと思っています。発信する情報の内容と信用こそがこれから問われる部分になってくるのだと感じています。
良い仕事は、未来の自分をつくります
これはSEOに限った話ではありません。私たちの“働き方”そのものにも、同じことが言えると思います。
いい加減に取り組んだ仕事は、あとから見返しても“経験”とは言いづらく、しかし、懸命に向き合った仕事は、たとえ人に評価されなくても、自分の中に確かな何かを残しているように思います。
そして不思議なことに、そういう仕事は、外から見ても伝わるのです。
「あ、この人は丁寧な人だな」
「この仕事には魂がこもっているな」
そう思ってもらえるようなそ仕事を続けることが信頼になっていく、そして、そんな信頼は、努力の積み重ねによってしか得られないように思います。
剣道の指導で感じたこと――「教える」とは、「共に学び続けること」
私は長年、地域の少年剣道の指導を続けてきました。
その中で強く感じるのは、子どもたち一人ひとりに、良いところとまだ不十分なところがあるということです。そしてそれを一方的に教えるのではなく、自分自身で気づくための“きっかけ”を与えることこそが、指導者の役割だと感じています。
この考え方は、会社における上司と部下の関係にも通じます。指導者(上司)とは、正しい答えを押し付ける存在ではありません。個々の成長の道筋を照らし気づきを与える、そして自らもまた学び続けていく、そんな存在が理想だと思います。
部下の間違いを叱責し、正すのが上司の仕事と思っている方がいるのでしたら、それは残念です。
考えてみてください、世の中は日々変化しています。かつて自分が学んだことは、自分の経験としては尊いものですが、それだけでは今・未来を生きる人たちにとっての正しい答えにはなりません。だからこそ、常に新しい視点や価値観を受け入れ、自分自身も更新し続けていく必要があると思っています。つまり、絶対的な指導ではなく、ともに学び考えていく気持ちが大切だと思います。部下ができないのは、自分の指導力(あるいはコミュニケーション能力)がないことの現れだと思ってみると良いかもしれません。
それは、技術的な知識だけの話ではありません。人の生き方、働き方、価値観すらも変化し続けている今、自らを磨く努力を怠り、過去の知識や実績ばかりをひけらかすような人は、指導すべきではないと私は思います。
「教える」とは、「過去を伝える」と「未来を共に考え、共に成長すること」であると、剣道を通じて私は学びました。
クリエイターには「完成」がありません
私はクリエイターとして、長く映像やCGの仕事に携わってきました。その中で強く感じているのは、クリエイティブな仕事には「完成」がないということです。
どこまでいっても、「もっと良くできる」「もう一歩先に行ける」と思い続ける。それが、クリエイターの宿命でもあり、面白さでもありますが、反面、「沼」にハマってしまう要因でもあります。
では、どこまでを目指すのか、という点については、いろいろな考え方があると思いますが、私はいつも「100%以上を目指すべき」と自分に言い聞かせています。本気で120%を目指さないと、100%には届かない。
それがこの世界のリアルではないかと感じていますし、おそらく第一線で活躍されているクリエイターの皆さんはそうではないかと私は思っています。
そして、それを目指し続けるには、「楽しさ」が必要です、これがなければ続きません。
創ることが好き。
届けたいという想いがある。
「誰かの役に立てた」と感じられる。
その“楽しさ”があるからこそ、厳しくも果てしない道を、前向きに歩み続けられるのです。

経営者の役割とは
私はクリエイターであると同時に、経営者でもあります。
その立場から見えるのは、クリエイターが100%以上を目指したくなる環境を整えることこそ、経営者の使命だということです。
過剰な負担をかけることなく、
適切な裁量と責任を与え、
成果を正しく評価し、
「この仕事が好きだ」と思ってもらえるような土壌を育てる。
これは、企業の競争力に直結することでもありますが、同時に「人としての幸福感」を支える基盤でもあると私は感じています。
輝ける場所を見つけるには、自分を磨き続けるしかありません
人には誰もがそれぞれ「輝ける場所」があると思います。しかしそれは、ただ待っていても、たどり着けません。
探し続けることも大切ですが、もっと大切なのは――その場所へと続く道に出会うその時に、その道を選ぶことができる自分でいれるようにすることではないかと思います。
どれだけ探し回っても、磨かれていない自分では、その場所があっても気づくことができません。
逆に、自分を磨き続けていれば、偶然のように思える出会いや小さなチャンスの中に、自分の「居場所」を見つけることができるのではないでしょうか。
人生の中で自分の道を選ぶ機会は多くあります。その時に自分にとって最善の道を選ぶことができるのは、自分自身をしっかりみつめ、考え、その考えに向けて努力を惜しまない人だと思います。
おわりに――「道具」の価値を決めるのは使う人とその使い方です
AIも、SEOも、CGも、すべては「道具」にすぎません。
そこに価値があるのではなく、どう使うかを決める人間に価値があるのです。
その道具で何を創り、誰に届けるのか。
それを決めるのは、私たち自身です。
良い仕事・行動は、自分を育て、誰かを助け、信頼を築きます。
その積み重ねは、やがて自分の生き方や人生そのものを支える「芯」となってくれるはずです。
私は今日も、良い仕事を目指して、剣を振り、マウスを握り、学び続けていきたいと思います。
未来の誰かに、「あなたの言葉で気づけました」と言ってもらえる日を信じています。