はじめに
人生100年時代と言われたのは数年前のことですが、実際定年の年齢が上がっていくなかで、働きながら生きていく時間が長くなっているのは紛れもない事実です。
一部の早期リタイヤの方や大企業の役員クラスのように定年時に充分な退職金を頂けるような方は別としてそれ以外の多くの方は、定年後も何らかの収入を得るために働かざるを得ない時期が来ようとしているのかもしれません。
「死ぬまで働くなんて辛い」と絶望することばかりかというと、そんな事はなく、今から準備することで働きながら人生を充実させていくことも可能だと思っています。
いまの仕事が好きですか?
まず、考えてみたい事は、現在の職業(あるいは収入を得る手段)を好きかどうか、自分が好きでい行っていること、例えば幼少時から機械いじりが好きだった方が自動車整備に仕事に就いているとか、人と話すのが好きな方が営業や接客を生業としている等の場合、定年後にそれまでのスキルを活用して職を探していけば良いと思います。自身の能力により必要とされる場所は意外に多くあると思います。
ご自身のスキルではなく、「管理職」という立場で人を動かすことを生業としていた方はそれまでの職場での仕組みを活用したり、人脈があってこそ能力を発揮できていたのではないでしょうか?このような方はよほど社外的にも評価されていた方でない限り、新しい場所を見つけるのは難しいように思います。
これからの定年後の再就職は人材が多くなりますので、競争も激しくなります。「管理職」という一部の管理者の枠を狙うのは熾烈な競争が予想されますし、そもそも定年後にそこまで競争に挑もうとするかたも少ないのではないでしょうか?
そこで、勤務時代からの準備が必要になってきます。
「仕事」という価値感
昭和・平成の時代を生きてきたサラリーマンに特有の美談的な価値観が残っています。
・深夜までの長時間労働
・ひとつの会社に定年まで務めること
・役職をあげていくこと
これらは今となっては美談とはなりませんが、この価値観をもったまま新しい仕事を探そうとすると理解されず苦しむことになるか、ご自身の身体がついていかず身体的な苦しみを味わうことになるかもしれません。
まずは、これらの価値観に縛られているご自身を開放してあげてください。
そうすることが、新しいものを受け止めていくはじめの一歩になります。
職場に依存しない新しい価値
次に、下記のような行動をはじめてみてください。
・職場以外の友人をつくる
・ひとりの時間を楽しめる趣味を探す
・仕事に関係のない人達と接点をもつ(趣味等で)
まずは、楽しんで行える趣味をみつけてください。
そして、その趣味を楽しめる仲間をみつけてください。地域のサークル等に参加するのも良いと思います。
同じ年齢だけではなく、違った年齢層のかたと交流できるようになるとより良いと思います。
ポイントは、「職場以外」になります。
例え趣味が同じであっても職場繋がりの人間関係は、定年退職後は疎遠になりがちになります。ひとつのコミュニティーに依存してしまっていては、その繋がりが失われた際の喪失感も大きくなります。リスク回避の為にも複数のコミュニティの参加が行えるように行動していくのが理想的です。
人と人のつながりが価値を生んでいく
ご存知のように、仕事をもらえるというのは、業務スキルよりも人の繋がりに依るものが大きくなります。趣味で交流関係が広がっていくことは、再就職に縁にも繋がりますし、もっと積極的に動けるならば個人事業としての起業等も視野にはいることになります。
会社という、情報や人間を集める大きな仕組みを利用できるのは、そこで働く人の特権です。定年退職後にこれが使うことはできませんので、それまでにご自身のためのコミュニティや、情報元となる人間関係を持っておくことが重要になります。
定年退職後は、「少しのんびりしよう」と思いがちですが、のんびりすることに慣れてしまうと再度動き始めるのはなかなか難しくなってしまいます。勤務時代には「定年後にゆっくり読書しよう」とか「模型作りしよう」とか思うものですが、定年を迎える歳になると集中力も続かなくなります。
いま出来ることは今はじめましょう。友人を作ったり、コミュニティへの参加は少し思い切ればはじめられます。歳をとるごとに新しいことには消極的になってしまいます。
定年退職後にやりたいことがいっぱいで、退職が楽しみ、と言えるように今から準備しましょう。
きっと、今からできます。