地方在住CGクリエイターの自己紹介
私は50代のCGクリエイターです。7年前に大手企業を退職しフリーランスとして活動を始めました。
独立当初は映像制作、HP制作等も行っていました。次第に3DCG制作に集中していけるようになり、2017年に3DCG制作会社として株式会社フィジカルアイを立ち上げ現在に至ります。
ひとりで始めて現在ではフリーランスの皆さんの協力を得ながら制作業を続けております。はじめにも地方在住と申しましたが、活動の拠点は愛媛県今治市です。サイクリングが盛んなしまなみ海道や瀬戸内地方の穏やかな気候にも恵まれ住みやすい地方です。
ご依頼の中心となる東京ヘは、飛行機を使っても4~5時間、新幹線なら6~7時間かかります。ちょっとした打ち合わせで行くには少し遠いのが実情です。そんな地方で仕事を続けていくには必要なものがいくつかあります。そんな中でも特に大切だと思うものを簡単にご紹介してみたいと思います。
必要なもの
健康
これは改めて言うまでもありませんが、健康で働ける状態を維持しなければ収入になりません。大切なのは「維持」することです。つまり暴飲暴食や乱れた生活環境は後々に影響を及ぼしますので、日頃からの食事や運動習慣に気をつけます。締切が近いからといって徹夜をするのではなく、計画的に作業をすすめていくこと、進捗を自己管理することが必要になります。
くれぐれも無理はだめです。小さな無理も重なれば健康に影響がでます。気をつけないといけません(自戒)
HP・ポートフォリオサイト
自分がどんなものを作る人なのか公開しておきます。WebやCGといったものを制作する人を探す場合、知り合いを探すという方法もありますが、検索するというケースも多いように思います。その際に見つけてもらえる環境(HP)があるのは大変重要です。
・作例
・連絡先
・経歴
など
高速な回線
いまや納品やプレビューはすべてデータで行いますので、通信速度が速く、かつ安定しているものが必要になります。
光回線が望ましいことは言うまでもありませんが、万が一に備え、予備回線等で冗長化まで行えれば安心です。
通信が行えない状態では、満足に仕事が出来ません。
信頼できる仕事仲間
ひとりで仕事を行うことが多いフリーランスにとって孤独との戦いも馬鹿にできません。仕事上の悩みや問題を話せるのはやはりその分野の知識や経験がある方になります。また仕事がオーバーフローしたときや自分だけで対応出来ないときなど協力してもらえる仲間を増やしておくことは大切です。仕事面でもメンタル面でも信頼できる仕事仲間はとても大切です。
相談できる専門家(会計、法務など)
フリーランスになった以上、経理や契約といった本来の制作業務と関連のない分野についても仕事を行わなければなりません。本業だけでも時間がないのにそれ以外の部分を調べながら進めていくのはとても大変で時間もかかってしまいます。特に経理や法務については専門知識の有無により大きく影響がでる場合があります。
私はフリーランス時代は経理を自分で行っておりましたが、法人化に伴い会計事務所と契約しました。自分で行うという方法もあると思いますが、私は任せて良かったと思っています。契約したと言っても丸投げする訳ではなく自分でも処理を行いますので、必要な部分は気軽に質問できますし、手が足らない時は任せることもできます。何より専門家に確認してもらっているという安心感があります。
この安心感については法務分野も同じです。取引先が大手企業になれば契約書やNDAが必要になります。送られてきた書類に判子を押すだけでは後々に問題が生じた場合不利な展開にならないとも限りません。しっかり把握・確認するためにも相談できる専門家がいることは大切だと思います。
一時でも悩みを忘れることができる趣味
仕事を行っていれば、悩み事や困りごとは必ずあります。自分だけでどうしようもないこともありますし、悩んでも仕方ないこともあります。気持ちをスムーズに切り替えることが出来れば問題ないのですが、なかなかそうもいきません。
そんな時、没頭できる趣味があれば一時忘れることができ、日常に戻った時に解決策を思いついたり、気持ちの切換ができたりします。
私ごとですが、私は剣道をしています。学生時代に部活動で行っていたのですが就職してからは足が遠のいていました。子供が剣道を始めたタイミングで私もリバ剣し現在も続けています。剣道は対人競技ですので相手に向かっている時は目の前の相手に集中します。稽古が終わって仕事に戻ってみるとそれまで悩んでいたことが小さく思えたり、解決策を思いついたりすることも結構ありました。運動に限らず、何でも没頭できる趣味があればおなじようなことではないかと思っています。
悩み続けるよりも、一時それを忘れてみる、忘れることが出来る環境があるのは重要です。
自己研鑽(の気持ちとツール)
自分の能力で稼ぐというフリーランスの醍醐味は、自身の能力があってこそ、そしてそれが続くことが重要になります。継続させるためには自身の能力を向上させる、あるいは時代に合わせて変化させることがとても大切です。
この向上・変化を成長という言い方で表現したとして、成長には自分自身が能動的に動くことが大切です。
誰かに教えてもらおうと待っているだけの状態になったり、情報が入ってこないからと待っている状態では成長は望めません。自身から動いて情報収取していってください。またその際にひとつのツール(媒体)にこだわるのではなくツールの種類についてもいろいろ調べてみてください。今知っているものだけがすべてではありませんし、日々新しいものが生まれているのが現在です。
新しいものを刺激を受け、面白がって見てみる、楽しんでみる、そんな気持ちがあればきっと大丈夫だと思います。
さいごに
新型コロナの発生により社会は大きく変わり、これからも変わっていくと思います。
住んでいる場所にとらわれない行き方が出来るという考え方が市民権を得てきたようにも思いますが、東京にいる気持ちのまま地方に移住すると、思っていたものとは違う現実にショックを受けるかもしれません。
地方は都会とは違います。良い面も悪い面もあります。けれど自分自身の考え方や行動で場所の格差を補うことも可能になっていると思います。自分自身がどうありたいのか、何も望んで生きていきたいのかを考えると住むべき場所も見えてくるのではないでしょうか。
人生100年時代、いろんな生き方があって良いと思います。