「社内のSolidWorksやFusion 360で作成した3D CADデータを使って、展示会やWebサイトで映える3DCGアニメーション動画を作りたい」
製造業や機械開発の現場において、このようなニーズは年々高まっています。写真や実物の動画では撮影できない「機械内部の構造」や、目に見えない「流体の動き」を直感的に伝えられる3DCG動画は、製品の魅力を100%伝える最強の営業・マーケティングツールになるからです。
しかし、技術者やプロジェクト担当者の方が直面するのが、「手元にあるCADデータを、そのまま制作会社に渡して大丈夫なのだろうか?」という不安です。
- 「データが壊れて形状が変わってしまわないか」
- 「自社のコア技術である内部構造が、そのまま外部に漏洩しないか」
- 「東京の大手制作会社に見積もりを取ったら高すぎて、納期も融通が利かない」
結論から申し上げますと、適切な「中間ファイル」を選び、事前の処理を行えば、CADデータをそのまま高品質な3DCG動画へと変換することは可能です。
ただし、ファイル形式の選定や出力設定を間違えると、データがクラッシュしたり、3DCG側での修正作業で余計なコストと時間が発生し、スケジュールが大幅に遅れる原因になります。
この記事では、3DCG動画化において技術者が絶対に知っておくべき「中間ファイルの正しい選び方」と「実務レベルでの注意点」をわかりやすく解説します。
なぜCADデータをそのまま3DCGにするとトラブルが起きるのか?
なぜ、使い慣れたCADデータをそのまま3DCGソフトに読み込むと、エラーや予期せぬトラブルが起きてしまうのでしょうか。その理由は、CADと3DCGがデータを表現する「根本的な仕組み(構造)」の違いにあります。
NURBS(CAD)とポリゴン(3DCG)の決定的な違い
3D CADソフト(SolidWorks、Fusion 360、CATIAなど)は、製品を製造するための正確な寸法や曲線を表現するために、「NURBS(ナーブス)」という数学的な計算式を用いて滑らかな曲面を描いています。
一方で、3DCGアニメーションソフトは、映像としての見栄えや動きの計算を高速化するために、無数の三角形や四角形の平面を組み合わせた「ポリゴン(メッシュ)」という形式で形状を表現しています。

つまり、CADデータを3DCG動画にするということは、「数学的な曲面データを、ポリゴンという点の集まりへ『変換(テッセレーション)』する作業」が必要になるのです。この変換プロセスの理解が不足していると、現場で次の3大トラブルが発生します。
放置すると起こる3大リスク
① データの肥大化(フリーズとコストの跳ね上がり)
CADデータには、ボルト、ナット、ワッシャーといった微小な標準部品から、外観からは見えない内部の基板や配線まで、すべての情報が詰まっています。これらをそのまま3DCGのポリゴンに変換すると、総ポリゴン数が数千万〜数億に膨れ上がり、データ容量がギガバイト単位に肥大化します。
その結果、3DCGソフトがフリーズして動かなくなり、映像を書き出す「レンダリング」の工程で膨大な時間(コスト)がかかることになります。
② 形状の劣化・データ破損(曲面のカクカク・面剥がれ)
不適切な設定や相性の悪いファイル形式で変換を行うと、CAD上では滑らかだった美しい曲面が、3DCGに読み込んだ途端にカクカクとした粗いメッシュになってしまいます。最悪の場合、面の境界線が認識できずに「面剥がれ」が起き、モデルに穴が空いたようなデータ破損状態になってしまいます。
③ 機密情報の漏洩(セキュリティリスク)
設計データを丸ごと制作会社に渡すということは、自社の競合優位性である「内部構造」や「コア技術のノウハウ」をすべて外部にさらすことと同義です。信頼できる制作会社であっても、セキュリティ対策が不十分な環境でデータをやり取りすれば、情報漏洩の重大なリスクを背負うことになります。
【徹底比較】3DCG動画化に最適な「中間ファイルフォーマット」の正解
CADデータを3DCGソフトへ移行する際、最も重要なのが「どのファイル形式(中間ファイル)で出力するか」です。実務でよく使われる4つのフォーマットの特徴と、3DCG制作目線での推奨度を表にまとめました。
| 中間ファイル形式 | 主な拡張子 | 3DCG推奨度 | メリット(特徴) | デメリット・注意点 |
|---|---|---|---|---|
| STEP | .stp / .step | ★最高(第一推奨) | 面の再現性が最も高い。 3DCG側でポリゴンの粗さを最適化できる。 | 内部構造まで含むとデータ容量が大きくなりやすい。 |
| OBJ / FBX | .obj / .fbx | ★高(CAD出力可なら) | 3DCGソフトに直接インポート可能。 位置情報やパーツの階層構造が残る。 | CADソフトの種類によっては、出力に専用プラグインが必要。 |
| IGES | .igs / .iges | ★中(古いCAD用) | 抜群の汎用性。 古いCADソフトでもほぼ確実に出力できる。 | 3DCG変換時に「面剥がれ」などのデータ破損が起きやすい。 |
| STL | .stl | ★低(非推奨) | 3Dプリンター等で馴染み深く、出力が簡単。 | すべて三角ポリゴンになるため曲面が荒れる。 色や階層データが消える。 |
動画のクオリティを高め、手戻りをなくすためのファーストチョイスは「STEP」形式です。
弊社がメインツールとして採用している3DCGソフト「Cinema 4D」は、CADデータ(特にSTEPファイル)のインポートおよびテッセレーション(ポリゴン変換)能力が非常に高く、CAD上のパーツ階層構造を維持したまま、美しい曲面を再現することが可能です。そのため、アップの構図でも耐えられる精密な映像が作れます。

データを制作会社へ渡す前に!技術者が押さえるべき「3つの注意点」
制作会社に見積もりや発注を依頼する前、技術者側で以下の3つの準備を行うだけで、制作コストを下げ、納期を劇的に短縮できます。
① 不要な内部パーツ・ボルトの削除(ポリゴン数の削減)
外観のアニメーションには不要な「内部の基板」「配線」「見えない位置にあるボルトやナット」は、あらかじめCADアセンブリ上で非表示にするか、削除して出力してください。これだけでデータが劇的に軽くなり、制作会社側での修正コスト(=御社の費用負担)を抑えられます。
② コア技術の秘匿(シェル化・外観サーフェス出力)
競合に知られたくない社外秘の内部構造がある場合は、CAD上で「中身をくり抜く(シェル化)」か、「外観のサーフェス(面)データのみ」を書き出す対策が有効です。これにより、外見のクオリティは保ったまま、機密情報を完全に守ることができます。
③ 単位系(mm)の明記と「事前NDA(秘密保持契約)」の締結
CADの多くは「mm」単位ですが、3DCGソフトは「m」や「cm」を基準に動くことが多いため、事前に「mmで出力した」と一言伝えるだけでスケール誤認のミスを防げます。
そして何より、データを送付する「前」に、制作会社と必ずNDA(秘密保持契約)を締結してください。口約束ではなく、正式な書面を交わすことが、全社的なプロジェクトを安全に進める絶対条件です。
データの変換や軽量化を「社内リソース」で行うのはコストの無駄?
ここまで中間ファイルの選び方やデータ処置の方法を解説してきましたが、技術者の方の本音はこうではないでしょうか。
「やり方は分かったけれど、日々の設計業務が忙しくて、動画用のデータ整理にリソースを割いている時間なんてない」
技術知識のない一般的な映像制作会社に依頼すると、「データが重くて開けません」「形式を変えて送り直してください」など、データのやり取りだけで何往復も発生し、結局は技術者側の負担になってしまいます。
しかし、CADデータと製造業の仕組みを熟知した弊社にお任せいただければ、その手間は一切不要です。

なぜ弊社が選ばれるのか?技術者が安心できる4つの理由
弊社では、製品のアニメーションに特化した最高峰の3DCGソフト「Cinema 4D」をメインに、データ最適化に優れた「Blender」、次世代の超高リアルタイム描画を可能にする「Unreal Engine 5(UE5)」を組み合わせたハイブリッドな制作体制を整えています。
① 機械内部の動きや「流体エフェクト」までリアルに可視化
単に製品の外観を動かすだけでなく、ガス、水、油、気流、熱などの「流体表現」を得意としています。
Unreal Engine 5(UE5)の高度なエフェクトシミュレーション技術などを活用し、「機械の内部でどのように空気や液体が流れているのか」「どんな効果が生まれているのか」を視覚的にわかりやすく可視化。展示会や商談で、顧客が一目で納得する強力な動画を制作します。
② NDA完全対応。万全のセキュリティ体制
弊社では、実データをお預かりする前に、必ずNDA(秘密保持契約)を締結いたします。
お預かりしたCADデータは、外部ネットワークから隔離されたセキュアな環境で管理し、プロジェクト終了後は確実に消去(または厳重保管)します。法務への確認や社内承認もスムーズに進めていただけます。
③ 東京の大手に比べ、大幅に「費用を抑えた価格設定」
地方・少人数精鋭のアジリティを活かし、東京の大手制作会社のような余計な広告費や中間マージン、膨大な固定費をカットしています。そのため、大手と比較して非常に控えめでリーズナブルな費用で、同等以上の高品質な3DCG動画を提供可能です。
④ 「短期納品」や急なスケジュールにも柔軟対応
「来月の展示会に間に合わせたい」「急なコンペが決まった」といったタイトなスケジュールもお任せください。大手にありがちな「社内承認待ちで制作が止まる」といったタイムロスがなく、さらにUnreal Engine 5などの最先端のリアルタイムレンダリング技術を組み合わせて書き出し時間を大幅に短縮。フットワークの軽さを活かして迅速に進行し、最短ルートで納品します。
まとめ:まずはお手元のCADデータをご相談ください
SolidWorksやFusion 360のデータは、適切な中間ファイル(第一推奨はSTEP)を選び、技術のわかるプロに預ければ、社内リソースを消費することなく最高の営業ツール(3DCG動画)へと生まれ変わります。
- 「手元にあるこのSTEPデータで、綺麗に動画化できる?」
- 「流体エフェクトを使った動画を作ると、いくらになる?」
- 「他社で断られた短い納期なんだけど、間に合う?」
どんな些細な疑問でも構いません。まずは下記より、お気軽にお問い合わせ・ご相談ください。御社の技術力を世界に伝える動画づくりを、全力でサポートいたします。
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CADデータから映像化を行った実例がこちらになります。

【この記事の著者】

石水修司 株式会社フィジカルアイ代表/Adobe Community Expert
ベーマガに熱中した少年時代から、ベータカム時代の映像制作を経て、現在は3DCG制作のプロとして生成AI技術を活用した映像表現を手がけている。
Lancer of the Year 2016、CGWORLD「CGごはん」選外優秀賞。今治市在住。