VRの種類
VRと聞いて「バーチャルリアリティ」とすんなり答えられることも増えてきました。
そんなVRにもいくつかの種類があります。
そのなかで立体的に見えるものが、3DVRと呼ばれるタイプになります。見える映像が3Dなので3DVRです。
従来の360°映像は立体的に見ることが出来ませんので、奥行き感が求められるコンテンツに関していうと臨場感が乏しいという傾向がありました。
これに対し3DVRは、左右の目に該当する2つのカメラ(レンズ)で撮影されたものを使用します。左右で微妙に映像が違いますので、その視差
から奥行きを感じる映像を視聴できるという仕組みです。実際に見る映像と変わらない立体感が再現れます。
種類 | 見える角度 | 立体視 | インタラクティブ性 | 補足 |
---|---|---|---|---|
360VR | 360° | ✕ | ✕ | パノラマ映像 |
180VR | 180° | 〇 | ✕ | 前面のみの立体映像 |
360 3DVR | 360° | 〇 | ✕ | 全面の立体映像 |
3DVRアプリ | 360° | 〇 | 〇 | アプリ化が必要となる |
3DVRのコンテンツ
この3DVRでは、360°ではなく、被写体の方向だけを撮影することで画質を向上させた180VR(180°なので)というものがあります。グラビア等のコンテンツでは、背面は不要ですので、被写体を立体的に高画質で見える180VRは最適と言えます。
全面(360°)の場合はどのようなコンテンツが向いているかというと、ズバリ「体験型」のコンテンツです。※VRが体験型ということはさておき・・・
例えば、災害体験型コンテンツのようなその場で体験することが難しく、かつその体験で学ぶことが重要なコンテンツには全面3DVRは最適だと思います。災害を実際に起こすことは困難です。そして見るだけではなく、そこで動いて体験するという経験の為には、インタラクティブ性(双方向)が必要になります。
従来のCG制作では、体験者の位置は予め決められた場所に固定されます(見る角度は自由です)ので、前に行ったり、横に移動したりすることはできません。
体験型コンテンツとしてもう一歩進めてみたい場合は、ゲームエンジンと呼ばれるシステムを使用することになります。
このゲームエンジンを使用することで、コンテンツの中で移動したり、こちらの動きと連動してイベント(ドアが開く、壁が崩れる等)を起こすことも可能になります。
この場合、撮影された素材から中の映像を作り出していくことは不可能ですので、内部はすべてCGで構築していくことになります。
それはつまり3DCGで制作するからこそ体験型のコンテンツができるという事でもあると思います。
ゲームエンジンが扱いやすくなり、3DCGの技術革新によりこれまでにないコンテンツがこれまでとは比較にならないくらい、短時間で安価に制作できるようになってきています。
より多くのコンテンツができると、より身近で経験値になるコンテンツも生まれてくると思います。そのようなコンテンツが作れるように、我々も制作の技術を高めていかねばばなりません。