はじめに
絶滅動物「ドードー」の復元は、歴史的・生物学的な観点からも非常に興味深いテーマです。近年、AI画像生成や動画制作ツールの急速な進化により、従来は専門的なスキルや長い経験を必要としていたCG制作の現場にも新たな可能性が生まれています。
本記事では、プロフェッショナルなCG制作者として、AIツール(ChatGPTやAdobe Fireflyなど)を活用しつつも、従来のCG制作に求められる知識・編集スキルとどのように融合させていくか、制作工程の本質と奥深さに触れながら解説します。単なる「手軽さ」や「自動化」ではなく、クリエイティブな表現の幅を拡げるためのAI活用術や、品質担保・作品としての独自性の重要性にも言及し、AI×人間の協働が生み出す新しいCG表現の可能性を探ります。
AIの導入によって制作プロセスが効率化される一方、プロとしての“目”やクリエイティブな判断力、ディテールへのこだわりが不可欠であることも変わりません。こうした観点から、AI技術を積極的に取り入れつつ、プロのCG制作者だからこそ実現できる作品づくりに挑戦したい方々にとって、本記事が新たなヒントとなれば幸いです。
ChatGPTを使ったドードー(絶滅動物)のAI画像生成方法
まずは、AIを使ってドードーの静止画を用意します。
ここではChatGPT(画像生成機能付き)を活用し、テキストからドードーのイメージ画像を生成します。
手順例
- ChatGPTに下記のようなプロンプト(指示文)を入力します。
絶滅したドードー(Dodo)ドードーに関する情報をネットで収集し、形状、特徴を整理して、リアルな写真として画像化してください
生成された画像に対して、細かくリクエストすることで、よりイメージに近い画像にすることが出来ます。
出来上がった画像がこちらです。

生成された画像は、縦長ですが、作成したい動画は16:9なので、動画化の前に16:9に加工しておきます。加工はPhotoshopを使用します。
AI生成画像のPhotoshop編集テクニック|AI機能で動画用レタッチ
Photoshopに画像を読み込みます。
切り抜きツールを選択し、

比率を16:9にして、

画像の縦のサイズで枠を広げます。

左右の領域を長方形選択ツールで範囲選択し、生成塗りつぶしで、プロンプトに何も入れずに「生成」します。

両端部分の画像が生成されます。

この画像をスタートフレームとして動画を生成します。
Adobe FireflyでAI動画化|ドードーCGアニメーションを簡単作成
Fireflyで、動画を選択し、生成をクリックします。

画面の左側で生成する動画の条件を指定します。

解像度は、540p、720p、1080pから選択できます。
縦横比は、16:9
画面下の、フレームと書かれている部分をクリックし、最初のフレームの画像を読み込みます。

プロンプトを入力し、生成ボタンをクリックします。

生成された動画はこちらです。
ChatGPTの静止画からスタートして、動画の生成終わりまでの時間が、約40分。
最初の画像生成の際に、細かい指示を出すことで時間も掛かりますが、クオリティも上がると思います。
Firreflyは既存の生物やものの動きは再現できますので、それらを指示してやることで動きの再現も可能になります。
学術的な再現度でみると、まだ不十分な部分も多いと思いますが、指示する側の知識で補っていくことで精度の高い動画作成も可能になるような気がします。
Adobe Fireflyはライセンスという面において安心感がありますので、業務としても使用できそうです。
まとめ
AI技術の進化は、CG制作の現場に新たな表現手法と効率化の可能性をもたらしました。
しかし、AIツールを活用したCG動画制作においても、最終的なクオリティや作品の独自性を決定づけるのは、やはりクリエイター自身の審美眼や経験、そして細部に対するこだわりです。
AIによる画像生成や動画化は、単なる作業の自動化にとどまらず、プロフェッショナルな技術や感性と掛け合わせることで、従来にはなかったクリエイティブな表現を実現できる強力な武器となります。本記事で紹介したワークフローや活用ノウハウが、皆さまの制作現場での“新しい価値創造”の一助となれば幸いです。
AIと人間、それぞれの強みを理解し活かしながら、より高次元なCG表現を追求していくことが、今後ますます重要になっていくでしょう。